第0回 はじめのこと
第0回 はじめのこと
この一連のシリーズは
『ワーウルフ:ジ・アポカリプス』なるストーリーテリングゲームを、
ぜひともプレイしていただきたいという一心で展開されるものである。
それにはまず、ワーウルフ:ジ・アポカリプスについて、一つの真実を伝えなければならない。
『ワーウルフは難しいRPGである。』
こればかりは隠しようもない事実だ。ワーウルフの世界はすばらしい、といいところばかりを挙げ連ねたり、
ゲームにかかる労力が他のゲームとさして変わらないことを主張する者もあるが、
まやかしにすぎない。
彼らは簡単だと嘘をついておいて、実際には難解なゲームを与え、
あなたを暗黒の世界に引きずり込もうとしている。
そうした篭絡の結果、手をつけたまでは良かったものの、
結局ワーウルフの難解さにひどく傷ついてしまい、
二度とワーウルフを見向きもしないということになっては、本末転倒である。
そもそも考えてみて欲しい。
『RPGは、なんでもできる』これだって嘘だ。
ゲームマスターも、
世界観も、
ルールも、
あなたの隣に座るプレイヤーさえも、
決してあなたの好きな事を自由にさせてなどくれない。
RPGは自由な遊びではなく、不自由なゲームなのだ。
その現実に気づいたとき、RPGをやめてしまったとしたら、
それは嘘をついたものの責任ではないか?
だから、この一連のシリーズでは、
ウソを避け、 ワーウルフというゲームの恐ろしい部分をしっかりと見つめながら、
それでもなおこの美しいゲームを使いこなすためのノウハウをまとめてみた。
6回の連載の後には、誰もがワーウルフのセッションを成功させ、
愛する世界が破滅する光景をただただ見送るガルゥの悲哀を味わえるようになるだろう。